ここにしかない日常
薄れない思い出を

湘南の海辺が静かに黄金色に染まり行く時
小坪海岸 凛花は「光の企て」を仕掛けてゆく
その小さな灯をたよりに石段を登れば
海からの風に背中を押され、心は軽くなる
「光の小径」は日常を緩やかに遊離し
湘南小坪の夜へと誘い、「個室」「客室」の
しつらえは「懐かしい闇」をつくり出し
人々の心を確かに近づけていく
もてなされる「和心」と「海山の恵幸」
闇夜に照らし出された空間と情景は
時の彼方の記録にも残されていく

建築家 大隅勝治